妊娠力チェックとは

これまでは、結婚、将来の妊娠計画(家族計画)を具体的に考え始めて、いわゆるブライダルチェックを受けというカップルが多かったと思います。残念ながら女性の妊娠力には年齢による壁があり、妊娠力の低下は30歳に入ると始まってしまいます。

女性が自分のライフスタイルを考えるにあたって、子供も欲しいという希望があれば、健康チェックとして妊娠の効率、安全な妊娠に関わる身体のチェックを行うことはその希望を実現するのに大切であると考えます。
当院では、自費で簡単に受けられるいくつかの妊娠に関わる自費でのチェックをご用意しています。

自費でのからだチェック

妊娠を中心に考えて、いくつかのプランをご用意しました。ご希望に沿うプランかどうかは、来院時の問診で確かめます。追加、変更はその場で可能ですので来院時にご相談ください。ホルモンで周期での変化がある場合には、ご来院は1回ではなく2回になります。1回のご来院で結果はご郵送することも可能ですが、2回ご来院して頂くと直接ご説明をいたします。

Flow

一連の流れ

01

ご予約

02

問診(看護師による聞き取り)

03

医師による診察、検査

04

医師のカウンセリング

05

採血あるいは精液検査

06

次回来院or
郵送の手続き・会計

ご報告後の流れ

郵送での結果報告

約2週間後

or

来院しての結果説明

01

ご来院

02

採血

03

同日結果説明

検査項目

検査項目の組み合わせは、選んだプランにより異なります。単独で追加することも可能です。

内診と経膣超音波検査

女性では、内診台で外陰部、膣内の観察を行い、検査項目に応じて膣分泌物の採取や子宮出口の擦過を行います。また、経膣超音波で子宮と卵巣の状態を観察します。頚管ポリープ、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などをチェックするだけでなく、卵巣の大きさが年齢相当かを観察します。

感染症検査

風疹・麻疹

風疹は抗体がなかったり、低い状態で妊娠初期に感染すると胎児に先天的な障害が起こる(先天性風疹症候群)可能性があり妊娠前のチェックが必要です。採血で抗体価を調べます。麻疹は流産に関わるので安心のために抗体を調べることもできます。

クラミジア

クラミジア感染は症状を起こすことは稀ですが妊娠力を低下させます。感染の有無は、女性では内診時の擦過、男性では採取した尿でのPCR検査で調べます。妊娠力を知るにはかかったことがあるかを知るために採血で抗体(IgA ,IgG)を調べます。

その他の感染症

淋菌、梅毒、HIV、トリコモナス、カンジダといった性行為感染症、B型肝炎、C型肝炎、成人型白血病(ATLA)をブライダルチェックとして調べることができます。猫やオウムなどのペットが介するトキソプラズマ、難治性の不妊では慢性の子宮内膜炎の原因となるウレアプラズマ・マイコプラズマを次の治療に向けて調べることができます。

ホルモン検査

甲状腺ホルモン検査

甲状腺ホルモンの異常は、月経不順、月経過多等の月経障害、流産や早産の原因になることがあります。また、甲状腺ホルモンが妊娠中に不足すると児の知能発育・運動発育に影響する可能性があるため妊娠前からのケアが必要です、安全な妊娠のためには必要な検査です。

卵巣機能に関わるホルモン

脳下垂体から分泌されるFSHは主に卵の発育に働き、LHは排卵と女性ホルモンのエストロゲン;E2の産生に働きます。E2を月経中に調べることで卵が育つ環境と卵巣の余力を調べることが可能です。抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、卵巣内の卵子の数とよく相関するために卵子の数の指標として使われます。妊娠力を調べるためには、これらの測定をお勧めします。月経不順でお困りの場合には、一般の保険診療が可能です。もし自費での希望であればFSH ,LH,E2と排卵後にしか卵巣から分泌されない黄体ホルモン;P4を合わせて測定します。乳汁産生に関わるプロラクチン;PRLは月経不順の原因になるため合わせて調べます。

貧血検査、CA125

生理の血が多い過多月経は一般診療で対応可能です。健康チェックでは血算、血液中の鉄で貧血の有無を調べます。過多月経の原因として子宮筋腫、子宮の筋肉全体が厚くなり生理も重くなる(月経困難症)子宮腺筋症があります。月経痛を引き起こし不妊の原因となる子宮内膜症と子宮腺筋症ではCA125が進行度の指標の一つとなります。

生化学検査

腎機能、糖の代謝をあらかじめチェックすると安心して妊娠、出産を迎えることができます。血糖に関わる血糖、HgA1c,腎機能のクレアチニン、肝機能のAST ,ALTが検査項目です。空腹時血糖とインシュリンを測ることで排卵障害の原因となる多嚢胞性卵巣症候群では耐糖能異常の関与があるかを知ることができます。

ミネラル、ビタミンD検査

妊娠前からの葉酸サプリメントの服用はお勧めをしています。その他不足しがちで必要なビタミンにビタミンDがあり、難治性の不妊で悩んでいる女性では、ミネラルのフェリチン、亜鉛を含めたチェックがお勧めです。検査はせず、それらを含むマルチビタミンを習慣にすることもお勧めです。

子宮頸がん検診

子宮頸がんはワクチンによる予防が可能です。また発症しても早期であれば大切な子宮を残す治療が選択できます。人間ドックないし市町村からの子宮がん検診の活用をお勧めします。自費の一般の頸部擦過による細胞診、高リスクのヒトパピローマウイルス(HPV)をスクリーニングする検査を組みあわる自費のプランもあります。