不妊に関わる疾患

不妊の一般知識

不妊に関わる疾患

自然妊娠の仕組みに影響する女性の病気があると妊娠の効率は低下します。代表的な病気を取り上げます。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。できる場所や大きさによって子宮の内膜を圧迫したり、内腔に突出すると着床を妨げる因子となります。手術適応のあるものに関しては協力病院にて精査・治療を行います。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍には良性のものから悪性までさまざまな種類があります。悪性が疑われる場合には、MRやCTなどの画像診断、腫瘍マーカーの測定が必要になります。良性でも、妊娠後捻れる可能性のある5cm以上の腫瘍は治療対象になる可能性があります。精査、治療が必要なものは協力病院にご紹介します。手術の既往がある場合には、卵巣の余力は減っているので少しでも早く妊娠する方法を推奨します。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜と近似した組織が子宮周囲に慢性の炎症を起こし、卵巣の腫大や子宮周囲の癒着により月経痛、性交痛、不妊の原因になります。画像診断だけでなくCA125の血液検査から病気の進行度を判断するとともに稀に合併する悪性を除外します。ピルや薬剤による内膜症の治療は月経痛には有効ですが、妊娠力の回復には無効です。卵巣の余力があれば手術をすることもできますが、すでに卵巣の力が減っている場合には、生殖補助医療による速やかな妊娠が望まれます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群は、1)排卵障害(無月経、月経不順)があり、2)本来排卵期に上昇するLHの基礎値が高い(LH>7.0)、3)超音波検査で卵巣内に小さな卵胞がたくさん連なった状態(ネックレスサイン)が観察されることで診断されます。比較的に排卵誘発剤(クロミフェンやレトロゾール)や血糖降下剤(メトグルコなど)の内服で排卵を認めます。FSHの少量自己注射での治療も可能です。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープは、子宮内膜にできる良性の隆起性腫瘍です。初診時の超音波で観察されたり、通水時の超音波で発見されます。子宮内を内視鏡で観察する子宮ファイバー検査で、場所と大きさ、形状を観察し手術が必要かを判断します。必要時は当院ないしご紹介して手術を行います。

慢性子宮内膜炎

慢性子宮内膜炎は、明らかな症状を出さないため、子宮内を観察する子宮ファイバー検査で診断されます。原因となる菌はマイコプラズマ、ウレアプラズマなどですが、特殊培養、PCR検査で確かめると自費になってしまうため、子宮ファイバーで所見があれば有効な抗生物質をカップルで内服し治療します。

子宮頸がん

子宮頚がんは、子宮の頸部にできる悪性腫瘍で、子宮頸がんワクチンで予防が可能となっていますが、子宮頚がん検診による早期発見も重要です。妊娠前から定期的な頸がん検診をお勧めしています。

がん

乳がんや白血病などで抗がん剤の治療を受けたことがある方では、その治療内容によっては生殖の機能が年齢より低下し妊娠が難しくなっている方がいます。現在では、治療前に専門家の話を聞くことができます。日本がん生殖学会などのウェブを参照ください。

月経不順・無月経

月経不順、無月経の女性でも卵巣の余力が保たれていれば妊娠は可能です。原因不明ですが、40歳以前に閉経を迎える早発閉経など卵巣の余力が減った状態では治療が困難です。卵巣が萎縮性で小さくなり、FSHが上昇、エストロゲンの値が低い場合には早期の対応が必要になります。