紡錘体可視化システムとは

不妊の一般知識

紡錘体可視化システムとは

顕微授精の際に用いるシステムです。卵子内の紡錘体を可視化することができます。

卵子には紡錘体と呼ばれる受精や分裂する際に遺伝情報を均等に分ける役割のある構造物があります。この紡錘体を可視化することが出来るシステムを使用し顕微授精は行っています。顕微授精の際に紡錘体を避けて行うことで物理的ダメージを回避することができ、また紡錘体が不可視の場合、核の成熟がまだ不十分な可能性があるため顕微授精の時間を可能な限りずらし、卵子にとってより最適なタイミングでの顕微授精を行っています。

紡錘体とは

紡錘体は卵子の中に存在する細胞内小器官のことで、細胞分裂時に染色体を分配するという大変重要な役目を持ちます。
紡錘体は通常、卵子の第1極体付近に存在しますが、卵子によっては、極体から離れた位置に存在することもあります。そのような卵子に対して、紡錘体の位置を確認せずに顕微授精を実施した場合、紡錘体を傷つけてしまう恐れがあります。
紡錘体はダメージを受け崩れてしまうと、染色体を上手く分配できなくなることにより、異常受精や分割が起きないといったトラブルに発展します。

紡錘体は一般的な顕微鏡では確認することが出来ません。
そのため、紡錘体可視化システムが必要になってくるのです。